5つのフィールドをめぐり未来へつなぐ芸術祭「八王子芸術祭」とは
サクラのつぼみがほころびかけた3月21日。八王子市最大のショッピングセンターイーアス高尾そよかぜ広場(東京都八王子市東浅川町550-1)で行われた「八王子芸術祭」のリリースイベントにてchart project®がワークショップを開催した。
「八王子芸術祭」は2023年秋から10年をかけて八王子の5つのフィールドをめぐる芸術祭。フィールドの特色を活かしたテーマのもと、さまざまなイベントを開催していく。
八王子の豊かな自然や歴史、暮らしを含んだアート作品が、時間をかけて新たな八王子の未来を創り出すことを期待されており、chart project®も「八王子芸術祭」を盛り上げるサポート役として参加している。
まずは2023年秋に高尾・恩方地域を拠点としての芸術祭が開催予定で、今回はそのリリースイベントとなる。
イベント会場では、11時の開始とともにからピアノの音も軽やかにミニコンサートが始まった。ピアノの演奏に合せて、ライブペインティングが行われ、白紙のキャンバスが次第にダイナミックに彩られていく様子に、大人も子どもも見とれていた。このほか、自然をテーマにした展示や八王子FM生放送も行われ、買い物に訪れた多くの人が足を止めていた。
chart project®は、会場の一角でワークショップを開催。今回のテーマとなる八王子市の自然から緑比率を示したグラフをワークショップシートにして、一般の方々に自由に絵を描いてもうワークショップを実施した。
色とりどりの画材が置かれた机をみて、興味津々の親子連れ、カップル、おひとり様が三々五々集まる。
八王子市の地域別緑被率をテーマに、思い思いに描く
テーマは「八王子市の地域別緑被率」。
八王子市内西部の恩方地域および西南部に位置する高尾地域は、緑被率(自然や緑が、土地の面積に占める割合)が高い。市全体の緑被率約60%に対して、西部では76%、西南部は72%となっている。最も緑被率の低い中央部の9.3%に対して約7~8倍の値となり、どの地域から高尾・恩方地域に来ても「緑が深くなった」と感じさせる地域と言える。
ワークシートの表面には、各地域の緑被率のグラフ、裏面にはグラフ簡単な説明が書かれ、スタッフは大人にはあらかじめ簡単にグラフの意味を説明し、子どもには年齢に応じて伝え方を変え、グラフの意味を紹介し、自由に思い思いのchart作品を描いてもらった。
サクサクと筆が進む人。
「う~ん」と迷いながら描く人。
「この棒は、木にしようかな?色を変えてもいいの?」楽しそうに聞いてくる子。
時間をかけて黙々と細部まで描き進める人。
ダイナミックにクレヨンの箱ごとひっくり返す子。
人それぞれ、皆楽しそうに取り組んでいた。
また、まったくの白紙よりも、グラフの線があることが描くことへのヒントになるのか、その線を活かして山になぞらえたり、ビルにしたり、小学校にしたり、想像力を膨らませたchart作品が次々と完成した。
完成した作品とともに記念撮影
ワークショップには22人が参加した。
できあがった作品とともに記念撮影を行なうと、皆さん満足そうに笑顔が溢れていた。こちらでは一部の作品をコメントとともにご紹介する。
「絵を描いたのも久しぶりで楽しかったです」
「綾南公園をイメージして描きました。桜がとってもきれいな公園なんです」
「楽しかった!」
ワークショップで描いた絵は各々家に持ち帰ってもらいました。各家庭で話題になることで、テーマのより深い理解や関心にもつながっていく。
今回のワークショップを通じて八王子市の緑の豊かさを再認識していただけるような会話が、家庭で交わされているだろう。
4月に多摩美術大学でワークショップ
当日は、「八王子芸術祭」やchart project®の説明、緑被率グラフについてのレクチャーのあと、同じチャートの形を活かし、多摩美術大学の学生がアートとして表現する作品を制作する予定だ。作品は八王子市内での展示を行うほか、学生自身のポートフォリオとしても活用することができる。今後開催する八王子芸術祭、chart project®の展覧会でも作品を掲出する可能性もあり、芸術祭を盛り上げるプロジェクトとして期待されている。
◼️八王子芸術祭 リリースイベント in そよかぜ広場『音楽やアートを五感で楽しもう!』 概要
2023年9~10月に高尾・恩方地域を拠点として開催予定の八王子芸術祭のリリースイベント。一般客による緑被率のグラフをもとにしたワークシートでの作品制作。作品は各自持ち帰ってもらった。
グラフ提供:八王子市
日時 | 2023年3月21日(火・祝)11:00~15:00 |
主催 |
公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団 |
会場 |
イーアス高尾そよかぜ広場 |
Partner:公益財団法人八王子市学園都市文化ふれあい財団